2030年の興亡
IPCC4の報告は私たちに地球が有限であることをあらためて強烈なメッセージとして伝えた。それでは、この人為的に起こした問題に対して、我々はどのように対応できるのであろうか?
地球シミュレーターは2028年頃に大気圏内の温室ガス濃度が産業革命以前のそれの倍になると予想し、世界の平均気温が当面の長期目標である2℃上昇すると予測した。一方、オイルピークは悲観的に見れば2010年頃(ASPO)に迎えることになり、楽観視しても2027-47年頃(EIA)とされている。
すなわち、このままでは、気候崩壊の引き金を引くといわれる+2℃を越える時期と経済的な価値を持って石油採掘が可能な時期が共に重なってしまうことになる。これは喜ばしいことか・・・ これでやっと化石エネルギーから決別でき、クリーンな新エネルギーで新しい世界を築けるだろうか? 残念ながら事はそう簡単ではない。再生可能エネルギーの全エネルギーに占める割合は1970年の4.6%から5.5%前後とわずかに増加しているに過ぎず、その中で水力を除く再生可能エネルギー(風力、太陽光発電など)は現在世界の一次エネルギー消費の1%強を供給しているに過ぎない。再生可能エネルギーだけでなく、バイオマスエネルギーも原子力(一次エネルギーの20%を供給するためにはさらに2000基の発電所建設が必要である)も当面の主役にはなれず、かといって水素社会や、核融合、高速増殖炉などの技術も成熟せず、一方で、金属資源や水の攻防は益々激しくなっている。
エルギーだけを見ても、我々は2030年頃までに、人類存続の興亡をかけた大きな判断をしなければならないことになる。
これから、世界を救う夢のような新技術が出現するなどとは期待せず(2100年を目指した研究開発は大いに進めるべきだと思う)、如何にこの2030年を乗り切るかをあらゆる切り口から考えねばならないときである。少なくとも、従来の延長にその解があるとは考えられない。新しい形のイノベーションが望まれているのである。
22・05・2007
このページの最終更新日:2007年05月23日

