IPCC4が教えてくれること I

新しく人材養成ユニットに10名の大学院博士前期課程と5名の博士後期課程のメンバーを迎え、4月14-15日に第1回目のスクーリングを開催した。前期課程の皆さんは昨年9月に合格発表が行われてからすでに7ヶ月、引き絞られた弓が弾ける様に猛烈なパワーでこの2日間の勉強をこなされたようだ。メンバーの構成も性格も毎年それぞれに独特の個性がある、この方々がどのような形で環境を理解し、それを実際に展開してくださるのか、とても楽しみではある。
 ただ、現実の環境問題は益々複雑な様相を呈してきた。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第4次評価報告書第1作業部会の報告が2月1日公開された。それは予想されていた結果とは言え、衝撃的であった。二酸化炭素の大気中濃度は工業化以前の約280ppmから2005年には379ppmに増加し、過去65万年間の自然変動の範囲(180-300ppm)をはるかに上回ることが明らかとなった。また、その主要な原因は化石燃料の使用であり、この上昇が人為的なものであることを始めて明らかにした。二酸化炭素の年間排出量は、1990年代の6.4GtCから2000-2005年では7.2GtCに増加した。また、気候システムの温暖化には疑う余地のないことを示し、最近の12年(1995-2006)のうちの11年の世界の地上気温は、測器による記録が存在する中(1850年以降)で温暖な12年に入り、過去100年(1906-2005)の長期変化傾向の最新値である0.74℃/100年の温度上昇は第3次報告よりも温暖化が加速されていることを示している。これは最近50年間の昇温傾向が過去100年の傾向のほぼ2倍であることを同時に示すものである。1961年以降の観測では、少なくとも水深3000mまでの全海洋の平均水温は上昇し、気候システムに加えられた熱の80%以上を海洋が吸収しこれが、さらに海水面を上昇させているらしい。また、温暖化により、陸域のほとんどにおいて降水量の長期変化傾向が観測され、特に熱帯地域や亜熱帯地域では、より厳しく、より長期的な干ばつが観測される地域が拡大している。現段階での6つのシミュレーション結果は、2100年には1990(1980-99)年に比べ1.8-4.0℃の温度上昇があるとしている。地域間格差が縮小し、世界人口は減少、経済構造はサービス型に急速に変化し、物質思考は減少すると言うシナリオ下でも1990年に比べ1.8℃上昇すると言う結果である。そして、二酸化炭素濃度を450ppmで安定化させるためには排出量を約490GtCに削減する必要があるという。どうやら、間違いなく地球温暖化は人為的な原因で加速しているらしい。      
(続く)     2007.04.10

このページの最終更新日:2007年05月08日

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