新しい未来は懐かしい未来だと思う
6月4日「ホタルを通して環境を考える」展が新宿野村ビルで開かれ、パネリストの一人として参加させて頂いた。ファシリテーターは湧井史朗さん、パネリストは写真家の今村光彦さん、実は土門拳賞を受賞された「昆虫4億年の旅」を見てからの俄かファン、松田素子さんが編集された「おじいちゃんは水のにおいがした」もとても素晴らしい写真集で、この2冊を背負って仙台から出掛け、ついにサインをゲット、ちょっとミーハーかなとも思ったが、本当に素敵な方の素敵な記念を頂いた気がしている。僕の宝物がまた一つ・・・、そして、お米つくりを頑張っている大桃美代子さん。相変わらず元気一杯!先週は大学まで遊びに来てくださいました。
7月14日は、SEMSaTセミナーで銀座「吉水」の女将さん、中川さんとの対談、どんな話が伺えるのか、とても楽しみです。
さてさて、麻生首相は6月10日、温室効果ガス削減2020年中期目標を1990年比-8%と発表、この目的を達成するために、太陽光発電を20倍に、新車の半分をエコカーに・・・そのために、年7.6万円の負担を国民に背負ってもらうと言う苦渋の決断をしたと、誇らしげに会見で述べた。エコポイントの商品交換も来月から始まり、家電製品、新車売り上げ台数も順調に推移していると言う。
太陽光発電が20倍になっても、晴れた時にしか電気を起こさない発電ではエネルギーとして使えないことはさておき、さらには、-8%でアジア唯一の先進国としての役目が果せるのかということもさておいたところで、この戦略で、本当に-8%でさえ達成できるのだろうか? 私にはどう考えても本質をはずしているようにしか見えない。
そもそも、生活者の9割が地球環境問題に強い関心を持ち(筆者らの調査)、一方、産業やテクノロジー視点で観れば、エアコンは40%も、冷蔵庫は70%も省エネ化が進み、エコテクノロジーが巷に溢れている現在、何故家庭の消費エネルギーは増え続け、1990年比の1.4倍にもなるのか・・・この矛盾にメスを入れなければ、いつまでも、人が見ていないときに自動的に消えるテレビなどという、全く方行違いの馬鹿げたものをつくってしまうことになる。
ガンジーが残した「7つの罪」の一つに、「人間性の無い科学(Science without Humanity)がある。今まさにこれが問われているのだろう。生活者にも、そしてものつくりを担う企業にも、無論政治にもその問いに答える義務がある。
その問とは何か? それは、そのテクノロジーが本当に人の心を豊かにするのか?と言うことではないのだろうか。そのテクノロジーを通して、心豊かなくらしが送れるのかと言う事ではないのだろうか。
私たちは、産業革命以降、この地球に存在しないテクノロジーの信奉者として、何も疑問を持つことなく全力で走り、この地球環境問題を起こしてしまった。いま少し歩を緩め、新しい未来が美しい日本の過去の時間に眠っていることを、あらためて考えても良いのではとつくづく思う。
2009.06.20 Emile H. Ishida
このページの最終更新日:2009年06月25日

