環境経営のリーダー

先日、米国や英国の環境スクール数校を訪問した。これらの環境スクールでは、環境科学とビジネス、公共政策あるいはイノベーション政策など、いわゆる環境科学とその他の学問を組み合わせた教育を行っていた。通常、2年間で環境スクールの学位を取得、あるいは、ビジネススクールでMBAを取得するものが一般的だが、3年間で環境スクールとビジネススクール両方の学位を取得できるコースが用意されているのである。近年、環境問題が多種多様な分野に影響を及ぼしつつある状況を鑑みると、この傾向は容易に納得がいくものであろう。日本には環境スクール自体がまだ少ない。

この環境スクール訪問では、多くの研究者と意見交換や議論をする機会が与えられた。その中で、特に印象に残ったことを一つ紹介したい。「どのような環境経営のリーダーが必要とされるか」という点について、ある環境スクールの教授と議論した時、結論として出たのは次のような話だった。「複雑な問題を解決に導くシンプル・クエスチョン(simple question)を示せる人が必要だ」と。

CSR(企業の社会的責任)が重要視される経営環境の中、企業が抱える問題はより一層複雑になっている。何をどのように解決していけばよいか、そう簡単にはわからないことが多い。シンプル・クエスチョンを示すことは、このような状況を打開する第一歩を踏み出すための鍵となり、最終的に最良な解決策につなげる重要な役割を担うものになると考えられる。

本ユニットからそのようなリーダーが一人でも多く誕生することを願っている。

平成18年5月16日
古川柳蔵

このページの最終更新日:2006年05月17日

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