マーケットの力

2007年1月に、Shaw Industries Incという米国のカーペットメーカーを訪問する機会を得た。Shaw Industries Incは、アトランタの中心地から自動車で数時間程離れた、カーペット生産技術では100年の歴史を持つダルトンという町に立地し、主に米国マーケットにオフィス用カーペットを供給する。‘ゆりかごからゆりかごまで(Cradle to Cradle)’という商品のリサイクル化の実現を目指している。

現在、この企業ではCradle to Cradle化した新商品の売上は全体の約25%を占める。彼らの開発した新商品は、旧商品よりもサプライチェーンに要するエネルギーコストを3分の1程度削減し、全体的にもコスト削減を実現した。新商品開発プロセスにおいては、いくつものトライ・アンド・エラーを繰り返したものの、社内技術者が重要な技術課題をブレークスルーしたことでCradle to Cradle化に成功した。

Shaw Industries Incのサステナビリティー戦略立案にかかわる環境総括担当、製造担当、技術開発担当の3人の親切なディレクターにお会いした。議論の最後に、Cradle to Cradle化の成功要因の話になった。彼らはこの企業がリスクを恐れなかったことが成功要因のひとつであったと振り返った。Cradle to Cradleを進める上で、失敗から学んだことが多かったという。また、彼らはサステナビリティー企業へ向かうドライビングフォースは将来の環境制約からくるリスク回避ではなく、現在の「マーケットの力」であった、と振り返っていた。やってみて初めて気づいたそうだ。現在、Shaw Industries Incは、サステナビリティー企業へのトランジションフェーズにあるが、新商品のリサイクル品の回収フローが拡大する5年〜10年後を楽しみにして欲しいと手ごたえを語っていた。

平成19年1月20日
古川柳蔵

このページの最終更新日:2007年01月23日

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