雪の中のエコ建築
1月下旬にスウェーデンのサンズバルに点在するエコ建築を見学した。この辺りでは夜間に気温が−15℃まで下がり、昼間でも氷点下であるため、川や湖が凍りついていた。現地の住民は、車で移動する場合にも防寒具を持ち運ぶという。何かのアクシデントで車が故障した時にも何とか生き残るためである。
サンズバルには、建築家であるアンダース・ニュークイスト氏の設計したエコ建築が数多く立ち並ぶ。私はルンパン・ビリッジ(Rumpan village)にあるニュークイスト氏のご自宅やオフィス、ラガバーグ小学校(Laggarberg school)を見学した。これらのエコ建築は、太陽、外気など家の外部から入る全てのエネルギーを最大限利用できるように設計されている。トイレは大小を分別し、それらは肥料や堆肥として再利用される。室内は、外気がパイプを通して入るため、常にフレッシュに保たれている。暖炉では白樺の薪を毎日1ボックス燃やして室内を暖めている。暖炉の熱は天井で回収され、家の床に温水として送り込まれ、床暖房として再利用される。家の壁は、30センチの空間を維持した2重構造にすることにより、氷点下の世界でも暖かく維持されている。このように雪の中のエコ建築には多くの技術や知恵が盛り込まれ、まるで家一軒がエネルギーを最大利用する装置のように隅々まで設計されている。
小学校にエコ建築が導入されていたが、この試みは環境教育の面からも重要な戦略である。子どもは、毎日のように通う小学校で、エネルギーの循環を体感して卒業していく。エネルギーを大切に使うという意識が高まるのは言うまでもない。
なぜ、スウェーデンでこのような試みが進むのだろうか。より深い分析が必要ではあるが、冬に凍りつく街では、生き残るための当然の手段なのかもしれない。
平成19年2月6日
古川 柳蔵
このページの最終更新日:2007年02月07日

