三歩進んで二歩戻る
テレビのエネルギー消費効率は向上している。同じ32型の画面サイズの液晶テレビとブラウン管テレビの年間消費電力量を比較すると液晶テレビが優位にある。新技術としてプラズマテレビも登場しているが、37型の消費電力量を比較すると液晶テレビが優位にある。近年、部屋の広さが拡大し、1世帯2台以上のテレビを保有するのが一般的になってきた。そして、大画面のテレビへとシフトしているというデータがある。ところが、画面が大きいほど消費電力量は増大する。もちろん、画面の大型化は、家計を圧迫し、エネルギーを多く消費してしまうので環境負荷が増大する。液晶ワイド37型テレビの年間消費電力量の平均は、少し小型の液晶ワイド32型テレビの年間消費電力量と比較すると約33%多い。ブラウン管21型テレビとブラウン管ワイド32型テレビを比較すると消費電力量に約2倍の開きがある。ブラウン管21型テレビと液晶ワイド32型テレビを比較しても消費電力量に約1.5倍の開きがある。
つまり、既存のテレビ(ブラウン管)の省エネ技術は向上しているが、省エネがまだ十分に進んでいない新しいテレビ(液晶、プラズマ)が続々登場し、消費者は新しいテレビを購入したがり、さらに大型画面を購入しているのである。消費者は、テレビは大画面で見たいが、電気代が増え、環境負荷が増大してしまう。大画面で見たいというニーズと電気代・環境負荷削減のニーズが天秤にかけられ、その結果、大画面で見たいというニーズが全体として上回っていると捉えることができる。三歩進んで二歩戻る歩みである。我々はこのスピードで歩んでいていいのだろうか。
平成21年2月10日
古川 柳蔵
このページの最終更新日:2009年02月11日

